趣旨
丹波篠山市教育委員会及び各学校園では、地域に信頼される安全で安心な学校園づくりを最重要課題と位置づけ、保護者や地域住民とともに推進してきた。令和3年度末には「学校園安全管理マニュアル」の改訂を行い、また昨年度は、「安全管理マニュアル」改訂の重点とその活用の仕方について研修を深めた。この時期に改めて学校園の安全について考え、教職員の資質向上を図るとともに、今後の安全教育の取組に活かすことをねらい、本研修会を実施した。
概要
○日時:令和5年7月7日(金)15:10~16:40
○講義・演習:「学校園の安全について」~繰り返し起こる学校事故を防ぐために~
○講師:京都女子大学 西岡伸紀 教授
参加者の感想
- 事例を知り、分析し自校の安全対策に生かすことの重要性が理解できた。特に職員研修の場の充実を図っていきたい。安全点検の在り方についても見直しをしていきたいと思った。
- 事故の少ない学校の特徴がとても印象的だった。点検・気づきは全教職員の課題だと感じている。今、事故がないから安全だと考えるのではなく、事故が起こるかもしれないという視点で点検を行わなければならない。また、研修についても、本校で起こりそうな事例を複眼で見ることが気づきにつながると感じた。ただ、複眼でみることで焦点が曖昧になり、環境面で修繕の必要なものを見落とすことがないようにしたい。予算の問題もあるので優先事項を大切にしておきたい。
- 今回の研修では、事例を知る大切さと、ヒヤリハットがあった時に問題点を職員間で共有し、互いに指摘し合える集団になることが大切だと学んだ。「ハドン・マトリックスによる事故の要因分析」という方法は少し難しく感じたが、職員間で取り組んでいけたらと思う。
- 園の安全、安心のために研修会に参加させていただいた。 西岡先生の話はわかりやすく、今までの自分の知識や経験と照らし合わせ聞かせていただいた。事故の要因分析では、白黒はっきりさせるのではなく複眼で見ることが大切だといういう先生の言葉から、いろいろな視点で見られるように普段から心掛けたいと思った。今回の研修報告を園内で行い、今後も組織的に安全対策を行なっていきたい。
まとめ
講義では、全国で同じような「コピペ事故」が起きていること、事故が少ない学校の特徴、危険回避のための教育委員会と安全担当の対応、文部科学省やスポーツ振興センターにおける安全情報、学校事故事例などを教えていただいた。また演習では、ハドン・マトリックス(発生段階を発生前、発生時、発生後の3つに分け、内容を主体要因、発生源・加害的環境要因、物理的環境要因、社会的環境要因の4つに分ける分析方法)により、複眼的に事故を分析し再発防止等につなげることについて学んだ。今回の研修を通じて、事故対応能力を高めるとともに、改めて安全意識・危機管理能力を高めることができた。