人権教育研修会並びに主幹教諭研修会を実施しました(2021.09.30)

1 趣旨

 平成28年12月16日に「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行され 、同和問題の解決に向けた学校教育の果たす役割がこれまで以上に重要となっている。そこで、「部落差別の解消の推進に関する法律」成立の背景や課題、教員としての責務に関する講話及び具体的な教材を取り上げた指導に関する演習をとおして、人権教育担当者及び主幹教諭の人権意識の高揚と実践的指導力の向上に向けた研修会を実施する。

2 日時

 令和3年9月30日(木)

3 参加者

 小・中・特別支援学校人権教育担当者及び主幹教諭 

4 内容

 講義・演習「部落問題を正しく認識するために」~小中学生の人権学習の内容に即して~ 講師 三木市人権・同和教育協議会 副会長 春川政信氏

5 研修のまとめ

 前編は「部落問題を正しく認識するために」の研修だった。

 はじめに「部落差別解消推進法」制定の意義と法成立の背景について学んだ。第1条で「現在もなお部落差別が存在する」との認識が法で公式に示されたことは部落差別解消のスタートであり、「部落差別の解消」と「部落差別のない社会を実現する」の明記はめざすゴールが示されていること、第5条には部落差別の解消に関する教育及び啓発の必要性が明記されたこと等大変わかりやすく教えていただき、法成立の意義と学校教育が果たすべき役割の重要性を改めて心に刻むことができた。

 次に、部落差別の実態と部落史を学んだ。「部落史を正しく認識し指導する」という講義では、目からうろこの新しい学びが多くあった。古文書の解読や多くの資料により、正しい部落史が明らかになってきている。昔学校で学んだことが間違っていたこともあり、教科書の記述内容も新しくなっている。

 後編は、「小中学生の人権学習 指導のポイント」の研修だった。「招かれなかった誕生会」という教材を取り上げて具体的に指導のポイントを教えていただくなど、実践的指導力の向上に大いに役立つ講義・演習であった。

 教育に携わる者として、積極的に研修を受講するなど学び続けることで正しい知識や新しい情報を身につけ、自らの人権意識と実践的指導力を高めることの必要性を実感できた研修であった。

6 受講者の感想 (一部)

 研修を通して、人権教育の大切さを再確認した。今、6年を担任し、社会でちょうど室町文化の学習をしている。今日学んだことを取り入れながら、人権の歴史について学べるよう授業の工夫をしていきたい。

 正しい理解で子どもたちに指導すること。差別は人と人とを引き裂いていくので、みんなの課題であること。自分自身の人権感覚を磨き、間違いに気づき、おかしいと言うこと。3つのことを強く強く学んだ。人権教育が教育の基盤であり、子どもたちが過ごしやすいクラス、学校になっているかを常に考えていきたい。

 新しい部落史について、何度か研修に参加したが、自分の中で以前に学んだ知識が強く残っており、なかなか新しい知識が入らずにいると感じていた。しかし、今回の春川先生の講義は大変わかりやすく、自分の中で整理ができた。後編の指導の視点のポイントが大事なことがよく分かった。指導する側の視点がしっかりしていないと、大切なことがあいまいになったり、正しく伝わらなかったりすると感じた。子どもに関わる者として、社会への啓発を担う者として、一番しんどい立場の人のことを考えるという視点を常に持って対応していきたい。

 人権感覚を磨くには、常に高いアンテナを立てて、正しい情報を自分から得ようとすることが大切だと改めて認識した。分かりやすい講演で、今回の学びから次は自分で広げていく学びにしたいと考えている。

 クラス経営の基本は人権教育であるということを改めて確認できた。ただ学んだだけでなく人権学習を生活に生かしていける生徒を育てていきたい。クラスだけでなく、学校全体、そして卒業してからの生徒の人生に大きく影響を与える。人権学習をしていくにあたって、世の中のことに関心を持って学び続けていきたい。