「愛情の器」モデルに基づく支援プログラムの論文、発達支援の事例が多く掲載されてる論文、通級指導のガイドなどを紹介しています。児童生徒の実態把握の仕方や支援の仕方の理解を深まるために役立つと思います。
米澤好史 (和歌山大学教育学部心理学教室)
総じて、今どきのこどもたちは愛情不足で、負のモデル学習(他児が叱られていて、自分もしないでおく)ができないし、正のモデル学習ができない(他児が褒められると自分もそうするのでなく、自分が褒められないことを不満に思ったり、いちいち褒めてほしがる)。だから、それぞれのこどもの気持ちをしっかり受け止めるクラス作りが肝要だが、それぞれのこどもの行動を認めるとわがままになる。行動を認めてはいけない。それぞれのこどもの気持ちを認め、それぞれが違った気持ちを持つことを大切にするクラス作りが必要である。
<丹波篠山市教育研究所より>
愛着障害へのアプローチとして「愛情の器モデル」を提唱している。39の事例、8つの資料から具体的な支援方法・考え方を示している。愛着障害・発達障害に限らず、すべての児童生徒にあてはまる視点がある。児童生徒理解を深めるために役立つ論文。
「愛情の器」モデルによる愛着修復プログラムによる 愛着障害・社交障害・発達障害へ支援事例
米澤好史 (和歌山大学教育学部心理学教室 「愛情の器」モデルに基づく 愛着修復プログラムの効果は大きく、保育所・幼稚園 ではほぼ確実な成功率を示し、小学校低学年でもかな りの高確率で支援は成功する。小学校高学年、中学校、 高校での支援は、やはり困難を伴うが、これは、愛着 形成の敏感期を逃したというものではなく、愛着形成 を妨げる他の不適切な学習をしすぎているため、その 学習を消去し、本人の意識・認知から引き剥がしする のに時間がかかるためであり、愛着修復プログラムの 効果に時期はなく、遅すぎるということはないという、 揺るぎなき効果が実感されている。
<丹波篠山市教育研究所より>
59の事例を紹介。具体的な支援の実際と、支援への考え方が分かりやすくまとめてある。支援への実践力を高めるために、ぜひとも目を通してほしい論文。
学校教育における発達支援の事例検討 -発達障害と問題行動への対応-
米澤好史 (和歌山大学教育学部心理学教室)
本論文では、保育園・幼稚園から高等学校・特別支援学校における学校教育現場において、発達障害児、問題行動 児の理解と支援について、筆者が行った発達・教育相談、スーパーバイズ(SV)、コンサルテーション(CS)の事例 を紹介し分析を加える。発達障害や問題行動、それを取り巻く環境と文脈についての適切な理解の重要性と、それを 踏まえた支援の大切さを指摘した。また、攻撃性等の問題行動には、よく指摘される「むかつく」気持ちのためこみ と反芻のメカニズムに加えて、「愛情を貯めておく器」モデルを提唱し、それが攻撃性を抑え、意欲の根源であり、こ の器は、幼児期までの生活支援基盤によって形成されることを指摘した。
<丹波篠山市教育研究所より>
49の事例紹介。問題行動に対する原因や解釈の仕方、支援の実際とねらい・考え方などを具体例に即して示してある。
初めて通級による指導を担当する教師のためのガイド
(文部科学省)
「合理的配慮」実践事例データベース
(独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所)
支援のためのツール -発達障害教育推進センター
(独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所)